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――普段通りの、『朝』のはずやった。
特撮やアニメがてんこ盛りの、『日曜の朝』のハズやった。
「はあ?」
俺、御国 戒(みくに かい)は、無駄に広い和室の居間の
やたら凝った、紫檀に透かし彫りが施された、無駄にデカい高級座卓に、今、
『親父』と向かい合って座っとる。
「なぁに阿呆な声、出しとんねん。」
親父は、いつもの如く、ド派手な着物姿でくつろいで、茶をすすっとる。
「あんなぁ…も一回言ったるさかい、よう耳の穴、かっぽじってきけや。
戒……――せやからお前には、生まれた時から決められた《婚約者》がおんねん。」
「……………」
「お前が晴れて18歳になったら、『結婚式』や。
あとそんとき、御国家【当主】の座も譲ったる。どや、喜べ。」
「はあぁああぁあ!!」
俺は思わず、ガバッと身を乗り出した。
「ちょっ……!! ちょお待て!! 親父!!
家、継ぐんはわかる!! わかるがな……っっ『結婚』てなんやねん!!!
《婚約者》とかド初耳や!! 全く、全然、聞いてへんぞ!!」
「あ? そやったか?」
親父は団子を食いつつ、腹立つほどシレッといい放った。
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