【3】脱いだあの子の天女の証 ポロリもあるよな夜の夢

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――『戒、お前には生まれた時から決められた婚約者がおるんや。 その子、《鎮目 雪斗》ちゃんゆーてな…… めっちゃ可愛い【男の子】やねん♪』―――……… ちょっと待てやあぁぁああ!!!!! 男♂!? 男の子♂!? 「いやっはぁ~!!♪ よく来てくれたね。雪斗ちゃん!!!」 「はい♪ 御国のおじさまもお変わりなく♪」 来客用の一番豪華な和室に、雪斗…くんを通した親父は、今まで見たこともないくらいの上機嫌で、俺をその子の隣に座らせ 座卓から乗り出して向かいの雪斗…くんの頭をなでなでしとる。 「いやいや雪斗ちゃんこそ~~、ますます可愛くなっちゃってもう、おじさん嬉しくて困っちゃうな~~♪」 「親父ぃっっ!!! ちょお、お聞きしてもええですか!!?」 俺はたまらず、なんか敬語でつっこんだ。 「なんや、戒。うるさいのぉ~。男の嫉妬は醜いで?」 「嫉っ…!! ちゃうわ!! そっ…そのつまり、その子が昼間ゆーてた……婚約(はなし)の……【アレ】の…、【アレ的】な…?」 親父は、むっふ~♪といやらしそうに笑うと、面白そうに、顔をまっ赤にしとる俺を見た。 「そーーや♪ どや。めっちゃ可愛いやろ?」 「かっ…!…っ…そら(可愛い)けどっ…!!! でもそのホンマにっ……、おとっ…、おとっ…、男っ……♂!!?」 どうにも目の前の現実を信じられずおたおたする俺を、親父は急に冷静な目で『ふんっ』と一瞥(いちべつ)すると、自慢の朱塗りのキセルをくわえ、紫煙を吐きつつこう言った。 「……あんなぁ…戒。これは《しきたり》なんちゅー甘いもんちゃうで?」
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