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レンガ造りの2階建て。
まあ、普通の家ってこと。
家に帰るなり女を連れて2階の自分の部屋に閉じこもった。
女が人間だとバレているかはわからない。
だが、これ以上母と人間を一緒にいさせるわけにはいかない。
ハデスからの使いはいつ来るのだろう…
不安が心にモヤモヤを創る。
「あの…。すいません。。お家にまでお邪魔させてもらって」
机に向かう俺の背中に女が話し掛ける。
回転椅子を女に向け溜め息をついた。
「お前名前は?」
自分が倒れたとき、必死に看病してくれた相手にこの態度はないだろ…と思ったけど、偉そうに話し続けた。
「なんであんなところにいたんだ?お前人間か?生きてるのか?」
気になることがありすぎで質問をぶつけた。
女は頭が付いていけない様子でゆっくり答えた。
「な…まえは、ロイズです。で…えと・・・」
イライラした
このスローさに。
ロイズは真っ直ぐ俺に向けて手を出した。
「手を握ってもらえませんか?」
は?
これが人間っていうものなのか?
意味がわからねぇ。
「あたしの過去を見てください。」
言葉の意味もわからぬまま、ロイズに無理矢理手を掴まれた。
意識が遠退く―…‥
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