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ドンっ
「うわっ」
危うく岩に頭をぶつけるところだった。
後ろから顔を出したのは、弟の[カイ]。
「ルイ兄なにしてるのー?」
前歯の一本欠けた顔を覗かせて、あどけない笑顔で笑う。
やっやべぇ…
人間に気付かれたら…
急ぎ女のほうに振り返る。
遅かった。
女は走ってこっちに向かってくる。
カイを巻き込んだらいけない…
「カイ!!早く家帰れ!」
背後を気にしつつも、カイを急かす。
「ルイ兄と遊ぶもん!」
カイが駄々をこねてる間にも、女は近づいて来る。
やべぇ…
掟破り決定だ…
カイだけでも
「カイ走れ!!家に向かって真っ直ぐだ!!振り向くんじゃねぇぞ!!じゃねぇともうカイと遊ばねぇぞ!!走れ!!」
カイが走りだす。
意味もわからないまま。
近づいて来る女の腕を掴み空に舞い上がる。
少しでも遠くへ。。。
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