プロローグ

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それは例えば幼い頃 姉とケンカした日なんかに。 家を飛び出し、泣いている私を “彼”は必ず見付ける事ができた。 私がどこにいようとも 寂しさが溢れそうになる、一歩手前で必ずやってきて 「悠」 目を細めて笑いながら、私の名前を呼ぶ。 そして、優しく頭を撫で 「一緒に帰って、アイツに仕返ししようか」 そう言って、手を引いてくれた。 彼はいつも 私の味方だった。 姉ではなく、 私の、味方だった。          
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