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目を見開いた西島は
また、私の知らない表情をしていて
私は、まるで大切なコレクションが増えたような気分で
そんな表情を、脳裏に大切に仕舞った。
その瞬間
ふいに、きゅっと腕を引かれて
西島の両腕に包まれる、直前。
触れたかどうかわからないくらい
ほんの、一瞬
私の唇に
西島の唇が触れて
私はただ、真っ白になってしまった頭と
力いっぱい抱きしめられた体に伝わる彼の鼓動を感じながら
“宮崎、バスケ好き?”
“え?”
“やんない?”
あの日の会話を
大切に思い出していた。
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