第1章「誘い」

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牧原先輩もその件に関しては言ってほしくなさそうだし、放っておくことにした。 そのとたん、ガラっと生徒会室のドアが開いた。 「藤根か。梨留もいるのか。」 「ええ。」 「あっ!千羽先輩!!」 生徒会長、千羽先輩はオカルト好きだ。 蜘蛛の巣が張っている恐怖の廃墟と言われるところで人狼ゲームは やりたがるだろう。 「今度の土曜日、人狼ゲームをするんですけど、千羽先輩もどうですか?」 「面白いのか?」 「先輩なら楽しいと思います!」 「ま、やってみる価値はありそうだな。」 先輩・・・素直にやりたいって言ってくださいよ・・・ とは言えず。 そして、また生徒会室のドアは開いた。 さっきとは違い、勢いよく。 「す、すみません!!遅れましたぁー!!」 宇野先輩は荒い息で来た。 「はぁ・・・はぁ・・・で、っきょ、今日の活動は・・・?」 「資料の整理だ。あと宇野、遅れた理由を。」 「じゅ、授業が・・・長引きましたぁ・・・・・」 宇野先輩のクラスはいっつも運が悪く、授業が長引くのがほとんどだ。 「う、宇野先輩・・・」 「はい・・・・」 「今度の土曜日、人狼ゲームやるんですけど・・・どうですか?」 「あ、ご、ごめんね?その日はちょっと・・・」 宇野先輩も、つきあいがわるい。 その理由は毎回聞けてないけど・・・ 「そうですか・・・」
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