第1章

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―――じりじり、と 体、が、焼かれる。 足、は、お腹を支える器官。 お腹、は、喉を補助する器官。 喉、は、声を震わせる器官。 両手は。頭は。目は。耳は。心臓は。 全力の歌声を出すための、器官。 ―――じりじり、と オーディエンスがあたしの動きを追いかける。あたしの歌声がオーディエンスの耳の中に入っていく。そう、彼らの耳の中であたしの歌声が増幅していく。 飛び跳ねる! 歓声が湧く! 駆け出す! アップテンポもローテンポも、ジャンルも、なにも関係ない。あたしを縛るものはない。 薄暗いライブハウスのステージで、あたしは一人。 何百人の視線を浴びて。 相棒のギター片手に。 朝が来るまで歌い続ける。
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