ピロトーク:煽られる気持ちの俺

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 のん気なマヌケ面をしながら、振り返って俺を見た。  PCの画面は残念なことに、某サイトを開いていて、仕事をしている感じではない。  しかも取立てって何だよ、そりゃ。  世間知らずのお前に分からないだろうが、他にも色々仕事があるんだ。まったく―― 「俺の担当する作家は基本、納期を守る人が多いからな」  突き刺さるであろう言葉を、わざわざ言ってやったのに、どこ吹く風。  うっせーなぁ、もう!  という顔をして、イライラしたときにする、右手親指の爪を噛みながら、PCの画面に向き直った。  やれやれと肩をすくめて、ハンガーに上着をかけ、アイツの背中に声をかける。 「なぁこのBGM、昼間っから何、エロいの大音量で流してるんだ?」 「ぜんっぜん、エロくないし! むしろ聴いてて仕事が、捗っちゃうんですけど」  いやいや、すっげーエロい内容が、語られていますけどー。間違いなくコレ、18禁モノだぞ。 「あっそ。それは良かったな」  最近構ってやってないから、もしかして、溜まってるんじゃないだろうか?
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