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大音量で流れているというのに、耳元で囁いてるような、特大ボリュームで、告げられたセリフ。
何だよコレ。俺の理性を試そうとしてる、アイツの罠なのか!?
ああ、聴きたいさ。すごーく耳元でお前のその声、聴いてやりたいね!!
切っていたニンジンに思いっきり、包丁を突き刺して、キッチンを飛び出した。
「やっぱ、ダメ。昼間からこんなエロいの、聴いてたら頭が変になる」
横にどけておいたモノが、簡単にコンニチハをして、俺の胸をかき乱す。
アイツの背後を通り過ぎ、勢いに任せてオーディオの電源を、ブチ切ってやった。
「もぅ、何やって――」
文句を言いながらPCの画面から、俺に視線を移し、ハッとした顔をする。
多少、頬に熱があるのを、じわじわと感じた俺。もしかしたら、赤くなっているのかもしれない。
「……何て顔してんだよ、普段エロエロな文章、読んでるクセに。こんなの序の口だろ、アンタなら」
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