ピロトーク:不満満載なボク

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 先日いろいろあって、落ち込んでいる僕の元に、友人が元気になりますようにと、たくさんのCDを送ってきてくれた。  ――その中の一枚―― 「なになにー、腕枕されながら耳元で甘く囁かれる、ピロトークをどうぞ?」  何かのドラマCDらしい、略して腕ピロトーク。  ――っていうか、こっちは腕枕どころか、一緒に寝た記憶が、遥か彼方の記憶なんですが。  僕は恋愛小説家。  相手は編集者の関係なので、日々すれ違うことが多い。  まぁこの仕事してたから、運よく巡り会えたっていうのも、あるんだけど―― 「ヘッドホン推奨って、ウチにはないし。そもそも僕ひとりだけ、なんだから必要ないっと♪」  鼻歌混じりにオーディオへ、CDをセットする。  いつも音楽をかけながら、執筆作業をしているんだけど、他の雑音が気にならないよう、大音量でかけていた。  誰もいないんだし、映画鑑賞だと思って聴けばいいや。  そしてPCの前に座り、ネットサーフィン。  執筆の意欲が上がるまで、だらだら過ごす。言わばアイドリング状態と、表現しておこうか。  某サイトにアクセスした時、スピーカーから魅惑的な艶のある声が響いた。  どこかにデートしているらしく、彼が楽しそうに彼女へと、話しかけていく。
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