105人が本棚に入れています
本棚に追加
貪るように奪われていくうちに、僕の官能を呼び起こし快感を、強引に引きずり出されるんだ。
好きとか愛してるなんて甘い言葉がなく、ただ性欲を満たすだけの行為――
「今はそれすらも、なくなってしまったという事は、飽きられちゃったのかな僕」
不規則な仕事時間を、ちゃっかり利用しながら、外で浮気してたりして……
魅惑的な低音ボイスのセリフと、リップ音の嵐を聴きながら、どうしてこんな風に、マイナスな事を考えなきゃならないんだろう。
『そんな可愛い顔して、お強請りかい? イかせてあげるよ』
そうだよな、僕のこの思考が逝っちゃってるから、悶々と考えちゃうのかも。
それよりも随分湿度の高い、ディープなリップ音だな。どーやったらこんな音、出せるんだろ?
アイツとちゅーしたのって、いつだっけ?
――ってまた、これじゃあさっきと、同じじゃないか。
軽く自己嫌悪に陥ってるときに、玄関の扉が開く音が聞こえた――
最初のコメントを投稿しよう!