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そんな僕をちらっと振り返って、見てくれたんだけど、顔が赤いままだった。
……何かこっちまで、テレが移るんだけど。
つか耳をほじった方がいいの、僕だったりするのかな――
「なぁ、キスしてって、言ってみろよ」
「へっ！？」
素っ頓狂な声を上げたら、振り向きながら渋い顔をして、腰に手を当てつつ僕を見下ろした。
コイツに言ってほしかったセリフを、どうして自分が言わなきゃ、ならないんだ？
突然すぎてドキドキする暇もなく、しかも僕に強請るとか、せっかくのセリフが台無しじゃないか。
「同じ声かどうか検証してやるから。ほら、早く言え」
そんなもん、わざわざ検証しなくていいのに、細かいトコに、こだわるんだから、まったく――
「……キス、してよ」
自分からこんなセリフを、言ったことがなかったから、猛烈にハズカシくて、横を向いて言ってしまった。
「…………」
「ちゃんと言ったぞ、どうなんだよ？」
薄すぎる反応にイライラしながら、あいつの顔、目掛けて文句を言った刹那、腰に手が回され抱き寄せられた身体。
うわっと思った矢先、咬みつく様にキスされる。
「……っ、ん……ぁ……」
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