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遠慮なく唇の隙間から、無理矢理ねじり込み、絡んでくる舌に翻弄され、思わず甘い声が漏れた。
「やっぱ同じ、すっげーエロい声、出てるけど」
「ちっ、違っ////」
「あんなBGM流して、今もそんな声出して、ワザと俺を煽ってるんだろ?」
嬉しそうに喉で低く笑うと、僕をフローリングの上に、組み敷いて跨る。
見つめる視線から、欲情が溢れまくってて、思わず喉を鳴らしてしまった。
背中はちょっとだけ痛いけど、その痛みすら今は、快感に変わろうとしていて困惑――
「俺がお前のこと、大事に思ってるのに、無神経なことばかりしやがって」
「そんな、こと」
「してる、してる。余裕ぶっこいて、俺を見てる態度も、すっげームカつくしな」
言いながら、Tシャツの裾をめくって、直に肌に触れていく。
「やっ、……ぁあ」
余裕なんて、全然ないのに――
触れられた肌が、どんどん熱を持っていき、アイツを求める。
「悪いけど、今日は執筆させられない。今までガマンした分、お前を――」
耳元で甘く囁かれ、髪にキスを落とし、じっと僕の顔を見たアイツ。
イヤだと文句を言いかけた唇を、しっかり口づけで、封印されてしまった。
熱くて甘いキスに、身を委ねていたら――
ピンポーン、ピンポーン!
その音にお互い、顔を見合わせる。
――無視してほしい!
そう思ったのに、来訪者は遠慮なく非情にピンポンを、押し続けたのであった。
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