第1章

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 歌地蔵エンマと三帰依サトリから通信が入ってきて、リズは一つ息をつく。二人とも緊張というものを感じさせない気楽な仲間だ。リズもリラックスしようという気分になる。  彼らは今輸送船の護衛の任務についていた。地球を拠点とするシャーマナイザ組織「アスラ」の襲撃を警戒してのことだ。その敵が現れる。 「アスラのシュラのお出ましだ。じゃあ気楽に敵も交えて騒ごうか」 「考えるあなたは素敵だけど、考えすぎて遅れないでよ、リズくん」 「おう」  そうだ。夜にまで気を病む必要は無い。ここには仲間しかいないのだから。  エンマのヨリトモ機が敵に刀で斬りかかり、サトリのトモエ機が分析を開始する。  リズもエンマに続いて刀を構え、攻撃に出る。  夜空に大太刀回りが演じられる。  撃破した敵は光の粒となって消えていく。 「命は綺麗だな」 「俺達だって同じさ」 「だってもう死んでいるんだから」  敵も味方も死者と魂しか存在しない世界。それがこの戦場だ。  咆哮を上げ、オウル達は夜空を飛んでいく。
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