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守備練習を終えた後、僕は2人と別れて同期入団の人と一緒に下半身強化のランニングをしていた。
宮崎「ハァ...ハァ...ランニングは好きだけど限度ってものが...」
などと僕が言うと、
モブ「ランニング好きなのか。俺は撃って撃って撃ちまくってたいよ。まったく。」
という声や、
モブ「俺はランニングはあまり好きじゃねーわ。というか、長距離走は好きじゃね~な。」
という声が同期から聞こえてきた。しかしこんな場所でランニング談義をする余裕もなく、その後愚痴を言い合ってる同期を横目に僕は黙々とランニングを続けていた。
ランニングを終えてストレッチを1人でしていると、「おーい。」という声が聞こえたので振り向いてみるとそこには。
雅「宮崎くん良かったら一緒にストレッチしない?押してあげるよ♪」
雅先輩がいた。
宮崎「あ、お願いします...」
冷静さこそ保っていたものの、内心ガッツポーズをしていた。
しばらくストレッチを続けていると、こんな事を言われた。
雅「宮崎くんって守備凄いよね。取ってからも早いし、球際のグラブ捌きも他の人と比べると別格だし。一塁手なのがもったいないくらいだよ。」
宮崎「そうですか?まぁ、僕は確かに守備だけにはこだわりがありますし、自信もありますけど...」
僕がそう返すと、
雅「そういえば、地区大会と甲子園でのプレイ見たんだよ。凄いよね。あんなにファインプレー連発って...」
と雅先輩は僕の予選と甲子園での話を持ち出してきた。
そう、その地区大会と甲子園での守備こそが僕が1位指名された理由だと思っている。
これまでチームメイトが原因だと言ってきたが、僕は一塁手。とくに表立ってしたファインプレーはそこまで多くない。ではなぜそこまで堅守などと言われるのか。
それはチームメイトの3分の2ほどの送球が悪送球だったからだ。
そのチームメイトの悪送球によって自分の守備というのは際立った。悪送球は全て捌いたし、もちろん自分の守備機会でも守備は見せつけたつもりだ。
それに加えて、3番に入り、得点圏打率や、大会打率、盗塁数なども見られたのだと思うが、「守備の人」と囁かれているというのを聞いたこともあった。
そのチームメイトのおかげで際立った守備こそが僕の1位指名の理由であり、僕が「堅守」やら「守備職人」やら「守備の人」と呼ばれる所以である。
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