第3章 日向の花壇

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――私ってインドア派なんだなって、つくづく実感した日で。 立花君が私を能天気って言った意味がわかった日で。 そして立花君が、意外と人を好きなんだな、ってわかったその日は、とても暑かった―― 「蝶野、俺、先に行ってるな」 「あ、うん」  帰りの礼が終わった後すぐ、前の席の立花君は鞄とスポーツバッグを肩に掛け、私にそう言ってから教室を後にした。 いつもなら何も言わずにいなくなるのに、なんか変な感じだ。 と、そう思ったのは私だけではなかったようで、立花君の後ろ姿を見送る人が多いような気がする。 「ちょ、蝶野さん」  隣の席の男子が私を呼ぶ。 「今、立花と喋ってなかった?」  私は、うん、と小さく頷く。 何が気になるんだろう、と私は気になった。 するとその友達らも駆け寄ってきて、なんか、席を囲まれてしまった。
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