異変

21/26
前へ
/365ページ
次へ
「フウト、出現場所をどんどん報告してくれ。 イリヤとハイリは穴を閉じるのに集中!」 フウトが場所を次々に言う。 俺たち4人はそれぞれ範囲を決め、その中で動いた。 場所が早く分かればその分怪物も早く倒せる。 そうなれば数も減っていくはず……と思ったが、甘かった。 1体でも残っていると次々に出てくるので埒があかない。 ただ、一定の数より増えないような気もする。 中に入れる数、もしくは開けれる穴の数が決まってるのか? 「くそっ」 考えている間にも、耳には次々と出現報告が入る。 何かいい方法はないか? 『あー、次から次へとちまちまちまちま!! もういっそ全部引き込んでから一気に倒しちまいたいぜ』 細かいことが嫌いなヤッさんがボヤく。 ん? 一気に、か。 うーん、それだと……。 「カナ、カイ、ツチネ! その場からお前らの力で穴の前に壁を作ることは可能か? 怪物の足止めをお願いしたい」 『私できるよ!』 『俺も、多分大丈夫』 「ツチネは?」 『あ、あたし……無理。 したことないもん』 だよなぁ。 「よし! じゃあカナとカイは片っ端から穴の前に壁を作れ!! 長、ヤッさん、シュウはその穴の前で待機。 俺の合図で壁を取っ払って、怪物を一気に仕留める」
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

164人が本棚に入れています
本棚に追加