異変

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「長、頼みます」 「あぁ」 皆に作戦の変更を伝える。 里近くにはヤッさんとシュウ。 怪物が一番多い場所なのでツチネとカイもそっちに集中してもらう。 そこから少し離れた湖付近に俺。 それ以外が長。 長には思った以上の範囲を飛び回ってもらうことになった。 それでも眉ひとつ動かさないのは絶対の自信があるのだろう。 「開始!!」 全員が位置についたところで合図をした。 耳には主にフウト、それにアオとクウ、見張り組も一生懸命場所を伝えてくれている。 その中で自分の範囲を聞き漏らさないように注意する。 かれこれもう3時間以上か? 皆そろそろ限界のはずだ。 『コウ、いいぞ』 長からの合図だ。 「壁を取れ! 一気に仕留めるぞ!!」 俺は力一杯叫び、目の前の5体の怪物に一気に攻めかかった。 怪我をしている腕がピリッと痛む。 しまった、 1体仕留め損なっーー ざしゅっ 目の前の怪物が真っ二つになり、塵となった。 そして、怪物を仕留めたブーメラン状の刃物は、弧を描いて遠くの影の手に収まった。 この変形タイプの特殊な武器はーー 「長!!」 「ツメが甘いな、お前は」 遠くの影は、既に目の前にまで迫っていた。 どんだけ早いんだよこの人は。
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