異変

25/26
前へ
/365ページ
次へ
『こちらシュウ、完了した』 『やっとこさだぜ』 『こちら長、完了だ』 「俺のとこも完了だ。 フウト、次の気配はあるか?」 『今のところありません』 「イリヤ、ハイリ、空間は閉じたか? 外の様子はどうだ?」 『空間はもうすぐ……あと1分くらいで閉じれると思う』 『外のヤツらも、中がいなくなったことで穴が簡単に開けられなくなったっぽい』 「ってことはこの1分乗り切れば終わりってことか」 俺は祈るように長い1分間を待った。 他のヤツらも長く感じていることだろう。 静かにイリヤとハイリの報告を待つ。 『閉じた!』 『閉じました!!』 2人が同時に叫んだ。 「異常は?」 『ない! な?』 『うん! 元に戻ったよ!!』 はぁ~ 思わず安堵の空気が漏れる。 イヤホンからは喜びの声が伝わってくる。 よかった。 長と顔を見合わせると、長は『よくやった』という風ににっこりと笑ってくれた。 「皆お疲れ!! 被害状況を確認するから全員外に出てくれ」 被害は野菜畑と果樹園、5軒の家。 ただ、家はほぼ屋根と外壁のみで数週間で修復できそうだった。 皆一丸となって復興作業をしてくれている。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

164人が本棚に入れています
本棚に追加