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『こちらシュウ、完了した』
『やっとこさだぜ』
『こちら長、完了だ』
「俺のとこも完了だ。
フウト、次の気配はあるか?」
『今のところありません』
「イリヤ、ハイリ、空間は閉じたか?
外の様子はどうだ?」
『空間はもうすぐ……あと1分くらいで閉じれると思う』
『外のヤツらも、中がいなくなったことで穴が簡単に開けられなくなったっぽい』
「ってことはこの1分乗り切れば終わりってことか」
俺は祈るように長い1分間を待った。
他のヤツらも長く感じていることだろう。
静かにイリヤとハイリの報告を待つ。
『閉じた!』
『閉じました!!』
2人が同時に叫んだ。
「異常は?」
『ない! な?』
『うん! 元に戻ったよ!!』
はぁ~
思わず安堵の空気が漏れる。
イヤホンからは喜びの声が伝わってくる。
よかった。
長と顔を見合わせると、長は『よくやった』という風ににっこりと笑ってくれた。
「皆お疲れ!! 被害状況を確認するから全員外に出てくれ」
被害は野菜畑と果樹園、5軒の家。
ただ、家はほぼ屋根と外壁のみで数週間で修復できそうだった。
皆一丸となって復興作業をしてくれている。
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