27人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きだよ、梨沙」
そんな相手をこんなところに連れ込むなんて。それってどうなの? 先輩。
調子のいい、口先だけの言葉に唇が歪む。
ただでさえ体中汗まみれで気持ち悪いのに、男は私の上で果てた後も、私の顔や胸元に唇を寄せてくる。
「もう、やめてよ」
「なんで」
鈍感なこの男は、私の抵抗もじゃれ合いの一つだとでも思ってるんだろう。めげることなく、再び首筋に顔を埋めようとする。
私はそれを、乱暴に振り払った。
「あんたとは、もう終わり。
気が済んじゃった」
私は、男を押しのけ乱れた制服を整えると、砂だらけの床に尻餅をついて固まっている男を置いて、薄汚れた倉庫を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!