くればいいのに

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 「好きだよ、梨沙」  そんな相手をこんなところに連れ込むなんて。それってどうなの? 先輩。  調子のいい、口先だけの言葉に唇が歪む。  ただでさえ体中汗まみれで気持ち悪いのに、男は私の上で果てた後も、私の顔や胸元に唇を寄せてくる。  「もう、やめてよ」  「なんで」  鈍感なこの男は、私の抵抗もじゃれ合いの一つだとでも思ってるんだろう。めげることなく、再び首筋に顔を埋めようとする。  私はそれを、乱暴に振り払った。  「あんたとは、もう終わり。 気が済んじゃった」  私は、男を押しのけ乱れた制服を整えると、砂だらけの床に尻餅をついて固まっている男を置いて、薄汚れた倉庫を後にした。
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