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「私…… お邪魔だったね……」
ひねくれ根性が顔を出して、ネガティブな発言が先に立つ。
「何、言ってるの? 助かった。
マジ、タイプじゃないしっ」
フワフワと漂うお花畑が、灰色の荒れ地に変わる瞬間。
私は、堪らなくゾクゾクするのだった。
お姫様が、魔女に変わる瞬間を知っているのは自分だけ。
たぶんだけど……
「本当に、図書室に寄ってくの?」
「え~ どうしよっかな? めんどくさ」
いつも延滞するなら借りなきゃ良いのにと、私は心の中で思う。
四那は鞄から1冊の本を取り出していた。
暗黒魔法の書かと思ったら、そうでもないらしい。
本を覗き込む私に四那は、ニヤリと妖しく笑みを讃える。
「ジェーン・エアよ♪」
題名を言われても、分からない私は、フーンと相槌を打つしか出来なかった。
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