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「おっ! ミツバ!」
図書館に行く途中で、私はクラスの遠藤に声をかけられた。
「この間の資料ありがとな♪
やっぱ、お前、頭良いな~」
「いえいえ、そんな……」
私は、オドオドしながら答えていた。
遠藤は、爽やかな余韻を残して、直ぐに立ち去っていた。
ホッとする私。
話しかけられるのは、得意じゃない。
遠藤が階段の向こうに見えなくなるまで、四那は菩薩の様な微笑みを浮かべていた。
「なんで、名前呼び捨て?」
「え? あっ、たぶん田中が3人居るからじゃ……」
四那は、氷の様に凍てついた瞳で、私を一瞥してから、前を向いていた。
図書室には、いつもの様に、人がいない。
「今日、当番の子がおサボりなのよ!
奥にいるから、借りる時に声かけてね!」
少し不機嫌な司書の先生は、私達に声をかけると奥に引っ込んでしまった。
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