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「あっ……」
手持ちぶさたで、適当に本に触れていた手。
痺れる様に感じた指先。
私の手を覆う、重ねられた白い陶器の様な掌。
今日が初めてでは無かった。
「ミツバ…… 」
「何? シイナ」
私は、自分の気持ちが、相手に伝わらない様に必死だった。
「三葉と四那は、繋がってるの。
分かる?」
「さ、三と四だから?」
「そうよ」
「何それ~?」
すごく嬉しいって思った気持ちを、私はひた隠しにした。
たまたま名前に、三と四が付くだけだ。
四那は、覆う掌の力を強めていた。
思いのほか痛くて、私は顔を歪めて四那を見ていた。
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