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キッチンに立っているアキの後ろから桜田が抱きつく。
「アキは絶対にいい奥さんになるね」
桜田はそう言って、アキの首筋を刺激する。
アキの手が止まる。
『優一、今、料理してるんだから』
「ずっと、ずっと、アキとこうして居たい。
アキを誰にも渡したくない。
俺だけのアキで居てくれ」
そう言った桜田は、アキを激しく抱いた。
この日の桜田はどこか違っていた。
何かを振り払う様に、何かを忘れようとしてるかの様に…。
そう、桜田の中では罪悪感が襲っていた。
アキに隠していること。
本当はその事がとても苦しい…。
アキを裏切っている、傷つけている…。
それでも、今、全てを話す訳にはいかない。
アキは必ず分かってくれると信じているのだ。
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