All I can do for you is

7/7
前へ
/10ページ
次へ
やっぱりいいな、こういうの。 心の中でぽつりと呟いて、教室の壁の半分以上を占める窓の向こうを見た。 夢のきれいな朝焼けはなく、空は曇って雪が降っている。よかった、早めに来ておいて。 夢で霜にされたみたいに、どす黒い空に向かって勝ち誇ったように鼻で笑って見せる。 それから逃げる小さな背中をからかい半分に追いかけた。 『……じゃあ、これまでずっと、私をそういう目で見てたってこと?』 思いきり息を吸って窓に背を向け教室を出るポニーテールを笑いながら見送る。 大丈夫。 あんな辛い思いは、二度としないんだから。 ■おわり■
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加