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やっぱりいいな、こういうの。
心の中でぽつりと呟いて、教室の壁の半分以上を占める窓の向こうを見た。
夢のきれいな朝焼けはなく、空は曇って雪が降っている。よかった、早めに来ておいて。
夢で霜にされたみたいに、どす黒い空に向かって勝ち誇ったように鼻で笑って見せる。
それから逃げる小さな背中をからかい半分に追いかけた。
『……じゃあ、これまでずっと、私をそういう目で見てたってこと?』
思いきり息を吸って窓に背を向け教室を出るポニーテールを笑いながら見送る。
大丈夫。
あんな辛い思いは、二度としないんだから。
■おわり■
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