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「もう来ないで」
「え?」
私が突然放った言葉に、美鈴が動きを止めた。
「急に何言ってるのよ。ほら、また中庭に行こ?」
そう言って車椅子を用意しているけど、私はそっぽ向いたまま動かない。
彼女は幼い頃から親友だ。
昔から二人で一緒にいた。
私は事故で、体の一部と家族を無くした。
それから、美鈴が毎日見舞いに来てくれる。
彼女だけが私を助けてくれる。
けど、もう耐えられない。
「だから、もう来ないで」
もう一度繰り返す。
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