硝子

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山々に乗る黒い雲 その向こうで空が 真っ赤に燃えていた あれ、 私が見ているのは、 なんだっけ? 振り返っても その景色はありません そうでした。 そうなのでした ただの一枚の 窓ガラスでした 暗い暗い 藍の空 いくつも輝く星すらも 向こうにあるものすら 映さずに ぴとり 掌を乗せました 冷たい氷の様でした
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