第1章

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19. 正義と悪、解り易く白と黒。二極化された物は万物を明白にその事実を伝える。白の中に黒は存在しないので白は黒を知りたがる。黒の中に白は存在しないので黒は白を知りたがる。その欲が灰色を産み出し、日和見主義の誕生を促す。欲とは嫉妬でもある。友人が残してくれた言葉に「嫉妬は良い、自分に足りない物を教えてくれる」と言うのがあり感銘を受けた。グレーゾーンの居心地の良さは欲求を満たす為の足場なのだろう。しかし、その場所に確固たる明白な事実を探し出す事はとても困難な作業だと言えよう。しかも事実は人を窮地に追いやったり、傷つける事もしばしばある。日和見主義こそが今の世の中で生きていく為の最善の処世術と言えるのかも知れない。そして、その生き方は誰にも否定できないし、万事二極化させ事実を覗き込む生き方も否定できない。選択肢は無数に在り、選ぶのは自分自身なのだから。 20. 選択するという事は可能性を削り取ると言う事だ。 21. 人を見た目や学歴等で判断する事は統計学的確率論で肯定される。 何故ならば人の本質はその人内部に存在し、その人の能力や精神的部分は外装から知りえるのは不可能だからである。 人を理解しようとするならばまずは直接話をしなければ何も解りはしないし、自己の経験則からの憶測での判断でしか結論は出せない。その結論は確実的な検証法ではなくパターンに見合わせただけの消去法に過ぎない。 「人を見た目で判断しないで欲しい」と、声高く上げても理解に乏しい人が多数居るのはこの方法手順が一番簡素で簡潔な方法論であるからであり、それが一般常識という大多数が用いる方法手順であるからである。 これが日の目を浴びない知性に溢れた人が多数存在する理由の一つなのだろう。 22. 時の流れとは生命の活動その物である。
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