第1章

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23. 新しく何かを構築しようとする事は重箱の隅を突付くような事に他ならない。 先人達が既に通ってきた道筋を確認する事によって自己の無学さを痛感できる。 同時にそれはそこまで辿り着けたのだと言う喜びにも変わる。 まだまだ道は長い。 24. 精神の寛大さ、精神的余裕が有れば有るほどに感情の揺れ幅は減少する。 何事にも動じないとは、言うなればそういう事なのだろう。 25. この世の万物全ての真理を知りえる人間は存在しない。天才と呼ばれる人間もある分野で秀でた能力を持っているだけの同じ人間に他ならない。まずは自分を知り得る事から始めなければ成長は無い。自分の無能さ、無学さを嫌と言うほど感じ取らなければその先へ歩を進める事はままならない。エミール・シオランが「敗者である事を自覚しろ」と述べていた事の重要性は此処にあり、この敗者とは勝負の勝ち負けではなく、己自身を理解しろという意味であると解釈している。では、自己を知りえる為には何が必要か。それはまず疑問を抱く事から始まる。自分がどういう人間であるか、何処まで知識を持っているかを自己に問わなければならない。これがスタート地点であり、知性の源泉に繋がる道標になるのである。 全ての学問は疑問符から始まる。 26. 外的要因欲求と内的要因欲求の違いは追い求める者が前者は俗物であり後者は賢人であるだけの違いでしかない。 27. 愚者であるか賢者であるかの定義付けほど意味の無い事は無い。全ては個人的価値観の相違と言う究極の言葉で完結してしまうからだ。
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