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一人の少女の思惑を乗せ、朝陽は今日も当たり前のように昇る。
リボンツインテ少女、ミニアは身の丈すっぽりの黒ずきんを被って通学路を全力疾走していた。
ミニアのジョブクラスは魔女っコなのだが、手元の箒は校則で通学に使用してはならないという厳しい取り決めがある。よって、頼みの綱は黒ずきんの裾から飛び出す細すぎる脚のみ。
「しまったです……まさか今日に限ってお寝坊さんだなんてっ」
袈裟に掛ける真っ赤なポーチの隠しポケットには例の薬が忍ばせてある。
宝物を守るようにして、ちっちゃなお胸にしっかりとポーチを抱きしめ、走る。
ニーソと黒ローブによって生まれた絶対領域ぷらす美脚いこーる、伝説の始まり。
各種学校が密集するアカデミーロードに合流し、ちらほらと通学中の生徒らの姿が見えてきたあたりでのこと。
「オハヨー、ミニア。今日も安定のギリだねー」
「!! はわわ、ライム!!
はひぃ、まだわたし、心の準備がっ」
「……何言ってるの、ミニア」
「ふひぁ、な、何でもないですっ!」
栗のセミロング、ぱっちりと開く星屑のような深い藍の瞳がミニアへと向けられていた。
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