第1章

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 *** 「ねぇ、聞いてミニア!  私好きな人が出来たの。真っ先にミニアに教えるわ。  私達、――親友でしょ」  気持ちに気付いたのは、その時だった。  『親友』この言葉に胸が痛んだ。嬉しいはずのこの言葉にどこか越えられない線を引かれた……気がした。  応援しながらも、苦しかった。 『ライムの恋が成就しますように祈ってるです』 『頑張るです、ライム!』  自分の心の奥底では振られてしまえばもしかしたら自分の想いに気付いてくれるかもしれないと……そんなことを考えてしまう醜い自分が嫌だった。  ***  赤いポーチを胸に抱きながら横に涙が流れていく。誰もいない校舎と塀の隙間に踞り、ミニアはしゃくりあげた。  ポーチの内ポケットから取り出した小瓶を手に、わあわあ泣いた。  もし、ミニアがこの小瓶の中身を使ってライムの心を手に入れたとしても、それはツクリモノだということに気付いていた。  そして、ライムと両想いになれば、ライムまでもが自然の摂理に逆らった者として好奇の目に触れてまうことも。 「こんな……っ、こんなものっ――!  うわぁああああん」 「ミニア」「……え…」  聞き慣れた声は、後方から。
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