第二幕

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「ちょっ…ちょっと待ってください。誤解しています」 「誤解? 何を」 「入れ替わりが決定したのは出立の前夜です。そもそも空愛姫が婚礼を嫌って出奔したからであって、皇の意志ではありません」 慌てて龍威の腕の中から抜け出して弁明するアクア。 (こんなことで戦争起こされたらたまんないよ) 「彼らをかばう必要はない」 「かばっていません! ことが露見した場合に備え、皇からの書状も預かっています」 そこまで聞くと、龍威はしばし考え、とりあえずその書状を見せろと要求した。 衣装小部屋に保管してある書状を取り出し、戻る。 ソファーに座っていた龍威は、手渡された書状に目を通しかけ、ふと気づいたように言った。 「着替えてきなさい。いつまでもそのままだと風邪をひく」 「っ!…はい」 かけられた言葉が優しいのに驚いたアクアだが、さすがに冷えて来たので着替えに戻る。 着替えを済ませ、徽章のブローチを外から見えぬよう留めた後、さんざん迷ったが、オーラブレードは所持しないことに決める。 今すぐどうこうするつもりはないと言った龍威を信じようと思ったのだ。 しかし、戻ってみたのは思っていたより険しい顔をした龍威だった。
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