第二幕

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キルアイドとシーアに現状を説明し終わる頃には、すっかり皿は空っぽになっていた。 「なるほどねぇ。で、姫さん、あんたどこの人?」 「どこのって…別に。先ほど言った通り、あちこち渡り歩いていますから…」 「アクア」 龍威の静かな声にさえぎられ、アクアは黙ってしまう。 本当のことは言えないと思っているからだ。 異世界の住人だ、なんて。 「悪いようにはしない。だから、私たちのことを信じて、何も隠さず話してほしい」 そう言われても、黙っているアクアを見て、龍威はため息をついて立ち上がった。 「そろそろ朝議の時間だ。行くぞキール」 「…ああ」 二人が出て行き、残されたシーアが食器の片付けを始める。 「どうぞ、姫様」 片付けを終えたシーアが紅茶もどき――いまだにこれが何のお茶だかアクアは知らなかった――を淹れてくれるまで、ずっと動かなかったアクア。 「姫様?」 「…私、龍威に嫌われましたか?」 思いもよらない言葉だったのか、シーアはしばらく考えるそぶりを見せ、明るく言う。 「大丈夫ですよ。陛下は今日は午前中で政務を終えられるので、午後からゆっくり話し合ってみてはいかがでしょうか?」 「ん…そうしてみます」 ほんのちょっと、気が晴れた気がするアクアだった。
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