第二章 捜査開始

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 どれも写真のように背景まできっちりと描かれている。  「このヌードのモデルは誰ですか?」  「それは私の彼女だ」  「彼女……ウチの生徒ではないですね」  「そうだ」  「ヌードはあなたが希望して描いたのですか?」  「いや、彼女の方から申し出があったので描いた。若いうちに記念に残しておきたかったそうだ」  「あなたは一度見たものなら何でもこうしてカンバスに再現できるのですか?」  「いや、見ただけではだめだ。ちゃんと記憶に残さないとな」  まあそうだろう。生まれてこの方、見たもの全てを記憶するには脳の容量は小さすぎる。
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