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「では、その記憶するところを見せてはもらえないですかね」
「悪いな。今は作品を仕上げているところだ。新たに記憶し直すと、この絵の記憶が消えてしまうから、今は無理だ」
「なるほど、上書きすると前のが消えてしまう、つまり、一度に一つの記憶しかできない訳ですね」
「ああ、そうだ」
「では、その絵はいつ仕上がりますか?」
「そうだな……この大きさだと……二~三日ってとこかな」
「そうですか。ではその頃にまた出直します」
「すまないが、そうしてくれ」
「ご協力感謝します。創作の邪魔をしてすみませんでした。それでは」
俺達は一礼してから美術室を後にした。
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