第三章 捜査完了

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 とりあえず、生徒会長の右隣の席(ここが書記の席らしい)に涼子が座り、その隣に俺が座る。俺の座った席は本来、会計の席らしいのだが、俺は生徒会会計に会った事がない。生徒会長の左隣、つまり涼子の正面が副会長の席だというのだが、副会長にもお目にかかった事がない。ちゃんといるんだろうか? まあ、いてもいなくても俺には関係のないことだがな。副会長の席の左隣は特に誰の席と決まっている訳ではなく作業机として使用されているらしい。  俺は席に着くと足を組んで、その足を机の上に載せ、頭の後ろで指を組むと、背もたれにおもいっきり寄りかかる。事務用の椅子がギシッと軋む。生徒会長がほんの僅かの間キーボードを叩く手を止めて俺を一瞥したが、すぐ何事もなかったかのように視線をノートパソコンのモニターに戻し、キーボードを叩いていた。  キザ夫はまだ来ねぇのかよ。キザ夫が来たら最後の容疑者である1年C組の山崎格禎(やまざき ただよし)のところへ行って聞き込みをする。  今のところ、今まで聞き込みをした容疑者は限りなく白に近い状態だ。ということはコイツが犯人である可能性が高い。コイツのファカルティは……  「涼子、容疑者リストを見せてくれるか」  「え、あ、うん。ちょっと待って」  涼子はそう言ってファイルを取り出すとページをめくり、リストを探した。
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