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◇ ◆ ◇
教室に着いた途端、キザ夫の周りに女子生徒が集まってきた。
「堀端君だ」「A組の堀端君よ」「キャーッ」
キザ夫が右手で少し長めの金髪を撫で上げ、そして中指でメガネをくぃっと押し上げる。耳の赤いピアスがキラッと光る。
ヤツは女子に大人気だな。どうでもいいけど、早く聞き込みをしろよ。
キザ夫は群がってきた女子に向かって山崎の所在を訊いた。
「このクラスに山崎格禎っているだろ?」
「やまざき ただよし? だれ?」「え~っ、そんな人いたっけ?」「私は知らな~い」「そんな人の事より私達と話しましょうよ」
何だ、山崎ってヤツは存在感ないんだな。そういった意味では俺と同類なのかな。
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