11人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
キザ夫の周囲に集まった女子が口々に山崎の事を知らないと言う中、一人だけ「私、山崎君、知ってる」と言う女子がいた。
「ほら、あそこの一番後ろに座っている人」
そう言って指差す先には頭にオレンジのバンダナを巻き、メガネをかけた肥満体型の、いかにもオタクな男子生徒が雑誌を読んでいた。
「あぁ~、アイツ、山崎って名前だったんだ」「あの人、オタクだよね」「キショ」
女子の評判は良くないようだ。ただ、存在感がない訳ではなく、名前を認識されてなかっただけのようだ。あんだけ大きければ存在感がないって事はなさそうだもんな。
「ふーん、サンキュ」
キザ夫は女子に礼を言ってからその男の元へ向かう。俺達も後に続いた。
最初のコメントを投稿しよう!