第三章 捜査完了

10/46
前へ
/183ページ
次へ
 「そうだな……とりあえず教室の一番前、教壇の上に移動できるかな」  「分かった」  そう返事をしたかと思うと、オタデブは立ち上がり、自分の胸の前で左手の人差し指を立て、その人差し指を右手で握り、右手の人差し指を立てた。アニメやマンガで忍者がドロンする時にとるあのお馴染みのポーズだ。  そうして鼻からフンっと短い息を吐くと瞬時にオタデブが姿を消した。俺達は振り返って教室の前の方を向くと確かに教壇の上にオタデブの姿があった。  「分かった。戻ってきれくれ」  キザ夫がオタデブに向かって教室の雑音に負けない程度の大声でそう言った。  オタデブはまたしても忍者のポーズをとると、俺達の前に戻ってきた。  こいつ、どこへ行くのにも移動は全てファカルティを使ってるな。だからこんなに太っているんだ。肥満の原因は絶対に運動不足だよ。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加