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室内にノックの音が響く。涼子が掃除当番の役目を終えて来たのか、それともキザ夫がようやく来たのか?
答えはその両方だった。涼子とキザ夫が一緒に中に入ってきた。
「お疲れ様です」
涼子がそう挨拶すると、生徒会長がいつも通り「ああ」と一言、返事をする。
「来る時にちょうど堀端君と一緒になったんだ」
涼子とキザ夫が席に着く。涼子は俺の左隣の書記の席、キザ夫は俺の正面の席だ。
キザ夫はまたしても遅れてきたくせにスミマセンの一言も無い。ったくどうなってんだよ。
「おいキザ夫、遅れてきたんだから一言くらい謝ってもいいんじゃないか?」
「僕はセンパイと違って理由なく遅れた訳じゃあありませんから」
そう言いながらキザ夫は右手の中指でメガネをくぃっと押し上げた。
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