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結城 澪(ゆうき みお)。
職業、駆け出しのミュージシャン。
夢を追いかけながらアルバイトで生計を立てている。
故郷は日本ではない。
ハーフで単身日本に渡ってきた。
結構波乱万丈な生活を送っている。
私はそんな澪の生き方がカッコイイと思った。
……羨ましいと思った。
私はずっと親が敷いたレールの上を歩んできた。
それが一番間違いないものだと幼い頃から教えられてきた。
私の名前は鹿野 真央(かの まお)。
名前の通り真ん中を真っ直ぐ真っ直ぐ寄り道もせず歩いてきた。
私はあまり冴えない容姿だ。
背も低く、華奢で幼い頃は『チビ、チビ』とバカにされてた。
団栗眼の童顔でよく見下される。
せめて女の子らしく見せたいと腰まで伸ばした黒く長い髪が余計にさみしさを感じる。
親のすすめで教職の道を選んだ。
確かに安定している。
だけど私は満たされない日々に憂鬱ささえ感じていた。
親のすすめでお見合いして何となく付き合って破断して……。
このまま冴えない人生を送るのかとさえ思ってた。
そんな時、澪は黙って私の話を聞いてそっと髪を撫でてくれた。
クールな澪なりの優しさを感じていた。
そして……。
澪への恋心は募って行った。
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