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「やった!
やったー!」
澪の気持ちはお構いなしに私ははしゃぐ。
「真央、驚かないで聞いてほしいんだけど……」
はじゃぐ私に澪は申し訳なさそうにモゴモゴと言っている。
いつものハキハキしている澪らしくない。
「ん?
何何?」
何時もと違う澪に私は首を傾げる。
「私は女だよ」
真っ直ぐに私を見ながら澪は言う。
「気付いてたよ」
澪のカミングアウト。
いや。
澪がカミングアウトする前から私は薄々気づいていたんだ。
「へ?」
私の反応に澪は狐につままれたような顔をしている。
「そんなのとっくに気付いてたよ。
澪が言わないからあえて触れなかったんだけど……」
初めは『カッコイイ男の子』だと思っていた。
でも……。
澪と接しているうちに所々見え隠れする女性的な面を見てもしかして澪は女なんじゃないかといつしか思うようになっていた。
でも男でも女でも私が好きな澪に違いはない。
どんな澪でも私は受け止める覚悟をしていた。
だからカミングアウトに関して然程驚かなかった。
「それで私の事好きって言ってくれたのか?」
確認するように澪は言う。
「……そのつもりだけど?」
真っ直ぐに澪を見て私ははっきりと答える。
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