恋愛に形なし!

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「そっか……」 私の答えに澪は目を細めた。 「恋愛は異性同士って決まってないでしょ?」 異性同士なんて不公平。 好きになったのが同性でもいいじゃない。 世間様は変な目で見るかもしれない。 そんな変な目でしか見れない人達は気の毒で可哀そうに思える。 こんな楽しくって幸せな恋の形もあるのを知らないんだもの。 「そうだな」 私の言葉に澪は頷く。 「この気持ちを素直にさせてくれたのは澪だよ」 澪に出会って澪と親しくなって……。 自身に自棄になって自分を見直せた。 「私?」 不思議そうに澪は首を傾げる。 「そう。 澪の生き方を見て私も自分に素直になろうってそう思えたんだよ?」 澪の生きざまは本当に今まで知らなかった世界を感じさせてくれた。 籠の中の鳥は漸く解放されたんだ……。 「嬉しい事言ってくれるじゃん……」 ボロボロと涙を流し嗚咽をあげながら澪は泣き始めた。 「え? え? 何で泣くの?」 いつも私を励ましてくれてた澪の泣き顔。 始めてみた。 凄くギュって抱きしめたい気持ちをグッと堪える。 「ごめん……。 私も実は真央が羨ましかったんだ」 ゴシゴシと服の袖で澪は涙を拭い一生懸命何時もの顔を作っている。
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