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『このタイミングでこのメッセージ来る?』
私は両手で髪の毛を掻きながら、ダイニングチェアーの背もたれに身を預ける。
頭の中で春藤と豊先輩の顔がルーレットのように交互に入れ替わる。
『これって浮気なのかな?豊先輩が好きとか言っておきながら、春藤の事も少し気になってる。いや、豊先輩とは付き合って無いからコレは浮気じゃない』
頭を左右に振りながら、再びスマートフォンに視線を落とす。
春藤のメールを読み直し、何て返信しようか考える。
『とりあえず、家に帰ってくる前に答えを出したように、日曜日は先に予定を入れた春藤を優先しよう。豊先輩には申し訳ないけど、来週か再来週にしてもらおうっと』
そう思いながら春藤への文章を作成していく。
【お疲れ様。日曜日大丈夫だよ!負けたもんは仕方ないし。ちゃんと水族館に同行しますので心配なく。あと、彼氏は居ませんので】
そのメールを送信してから豊先輩へのメールを作成する。
【こちらこそ今日はありがとう御座いました。もし先輩さえ良かったら、また一緒に帰ってください。それと、日曜日の事なんですが、前から入っていた予定があるのでどうしても行けません。また来週か再来週辺りで予定を立てれたらなって思います】
春藤に送るよりも2行も多いメールを送信する。
『とりあえず日曜日よりも土曜日だ。ちょっと過保護過ぎたかな。でも、あぁでもしないと絶対アイツは部屋から出てこなかったはず……』
私の選択が間違って無かったのかどうかなんて解らない。
ただ、私も含めて少しずつ家族が変わってきているような気はする。
それが、良い方向なのか悪い方向なのかは解らない。
ただ、今を変えるのは今の行動しかない。
過去は変えれないけど、未来は変える事が出来る。
『あっ、この言葉いいな!』
自分の脳裏に浮かんだ言葉を溜息デイズのメッセージとして使おうと打ち込んでいく。
土曜日、龍博にとってはもちろん、私にとっても、大変な事が起こることを、この時の私はまだ知らなかった。
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