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「あ?ぽち、そんなに飲めたっけ?いくら明日休みだからって、程々にしとけよー」
そう言う同僚も、同じ量を飲んでいる。営業たるもの、自分の飲める量は把握している。接待などで潰れては失礼きわまりないからだ。
「てか、ぽち?さっきから、お前、泣きそう?」
「えぇ!?何でだよー。さっきから変なのはお前だろ?飲みすぎ注意するのも普段しないし、変な事言うし。お前が酔ってんじゃないのか?」
「だってよー……、お前、三城課長が来た時、真っ赤になってたし、今、しょうがない。とか言いながら、泣きそうじゃん?」
ヤバい。いくら飲んでるとは言え、表情に出し過ぎてるぞ、俺。
「そ、そんな訳ないだろぉ?」
「あぁ、お前ももしかして、三城課長狙いだったのか?止めとけ、止めとけ。お子様なお前じゃ釣り合わないし、手に負えないって。まあ、相手にもされないっぽいけどな、さっきの台詞じゃ」
「そうだよな。相手にもされないよなー」
ぐびぐび。と2人して黙ってまた新しくきた、冷えたビールを流し込んだ。
でろんでろんに2人して酔っ払い、家の方向が一緒のため、同僚とタクシーに同乗して、アパートに帰ってきた。勿論、ガン寝してる同僚は、タクシーに行き先だけ伝え、おさらばしている。俺の方だ少しだけ会社に近いのだ。
そして、いくら飲み過ぎたからって、吐いたり寝こけたりは、しない。同僚も、声を掛ければ起きるだろう。ちょっといつもよりぐっすり寝ていた様だが、そこは運転手さんに頑張ってもらおう。
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