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その話には続きがあって、別の、少々考えたノータリン君が居たらしい。そしてこう答える。
「俺は課長のロボットになりたいです」
つまり、三城課長の言う事を聞いていれば、売り上げが確保出来ると考えたらしい。勿論、失敗しても三城課長の指示通りと言う事で、責任も押し付けるつもりだったらしい。
すると、三城課長はこう、宣った。
「無能なロボットは要らん」
仕事も指示されなければ出来ない無能は、ロボットにさえして貰えない。と言う事らしい。
そのノータリンは次の日には庶務部へ移動となった。その後の処遇は誰も聞いていない。
「なんで喫煙室に同室しただけでアドバイスが貰えるんだよ…」
他の先輩からも、ぶつぶつ言われるが、それは自分の知ったことではない。
むしろ自分が知りたい。
ジャパンゼネラルのアポが取れた時、誰に会うんだ?と聞かれたから、部長さんです。と答えたら、話題に宮崎の地酒の話をしてみろ。と言われた。俺なりに調べて、そして蔵元数件に電話して人気の銘柄や味、おススメを聞いたりして、美味しそうだったので、ちょっぴりお取り寄せなんてしてみて。
いざ、その話題を出したら、その蔵元の内の1つが相手の部長さんの地元で、有名な所で。取り寄せた酒の話しから、次は宮崎の地酒を飲める所を紹介しよう。と用意しようと思ってた接待のアポまで取れてしまい、そのまま仕事の話しもとんとん拍子だった。
手近な軟骨の唐揚げを摘むと、かりこり。と噛み砕いた。
「俺も、甲斐ちゃんにあやかりたいよぉ~」
ぐるり。と首に絡まる先輩の腕。寄りかかる体重。
重いって。
「こんな毒のない顔でニコニコしてるくせに、営業成績良いなんて、可愛くない!」
「あー、先輩?甲斐ちゃんじゃなくて、ポチっすよー?」
同僚が横から口を出した。
「ぽちぃ?」
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