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「あ、こら!お前、余計な事、言うなよ」
突拍子も無い事を言い出した同僚に、絡まってる先輩の腕をそのままに、同僚の口を塞ぐ。と、自分の口も後から口を塞がれた。
先輩の手、デカい。
「ぽちって、甲斐ちゃんのこと?」
「そうっす。こいつ、保智(やすとも)ってんですよ。保険の保に、知るの下に日がつくトモ。そのまま読むと、ぽち」
「へぇ~、ぽちね。ぴったりじゃん?甲斐ちゃん可愛いし」
言われたくなくて、んーんー言いながら同僚に向かって手を伸ばしバタバタ暴れていたら、目隠しされて倒された。多分、倒したのは先輩で、目隠しは同僚か?
と、むにゅ。と、頬に凄い違和感。何を押し付けられたんだか……?こんにゃくか?
そのこんにゃくが口にぬるり。と押し付けられる。おでんとかあったよな……。美味いかも?と、口を開けると、こんにゃくが離れていった。
あ、食いたかったのに……。
「せんぱ~い。ぽちはうちのですからね!1課にはあげません」
ぐい。と手を引かれ起こされると、先輩から2課の同僚の胸に飛び込んだ俺。
畳の座敷だと、気が緩むのも早いらしい。バタバタと学生じゃないんだから、人を引っ張るなよ。と思うが、俺も飲んでるからふらふらしてるっぽい。
くそ。そんな恥ずかしいあだ名、2課のみで止めておきたかった。
それでも、まぐろの刺身が俺を呼んでいて、同僚の胸を離れてソコに箸を伸ばしてぱくり。と放り込む。むぐむぐ。美味い。ここは海鮮が美味いンだよなぁ。
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