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「挙句に、『私は休日はペットと過ごすと決めているんだ。申し訳ないが、二度と誘わないでくれ』だぜ?仕事では尊敬出来るけど、あれじゃあ、女だって2日で離れるな」
けけ。と笑う先輩に、そうだ、そうだ!と囃し立てる同僚。
酷いのは先輩だろう?とは流石に思っても口にしない俺。
「おい、ぽち!何をにやにやしてんだよ?お前、酔ってんのかぁ?」
「え?にやにやなんてしてないですよぉ?」
「んじゃ、にこにこ?まあ、どっちでもいいや。つまりー、課長はダメ!って事。俺にしとかない?」
ぐい。と近づく先輩を押し離す。
「何言ってんですか、あっちがダメなら、こっちなんて都合が良過ぎますよ!」
「営業たるもの、強(シタタ)かじゃ無いとやってけねーのよ」
ぎゃいぎゃい、俺の周りは終始煩かったが、一瞬にて静まり返る事が出来た。それは…
「随分、楽しそうですね」
いつの間にか、俺の背後に立っていた、三城課長の一言だった。
「あ、三城課長。ジャパンゼネラルの件、助言頂きありがとうございました」
くりり。と三城課長へ向き直り、ぺこん。と頭を下げる俺。いくら無礼講でも、常識は弁(わきま)えてるつもりだ。
それに、次に話す機会が有ったら、ちゃんとお礼を言おうと決めていたんだ。大体、三城課長の噂話してたのは、俺じゃないので、後ろめたさも無い。むしろ、話す機会が出来て嬉しいくらいだ。
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