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貴子が自治に入ったのは、大学1年の秋頃だった。
それは異例の速さだったが、
貴子の能力が認められたからではない。
そもそも、貴子はそんな目立つ存在ではない。
だが、歩は違う。
貴子の高校からの親友である歩は
貴子とは対照的に明るく、人気者だった。
だから、1年の夏頃から
自治のイベント要員として採用されていた。
そんな縁で貴子も引き摺りこまれるように
自治の仕事を手伝うようになった。
入学当初からカリスマ的な存在だった爽と
年齢以上にその性格で親分肌で慕われていた文也は
既に自治の中心メンバーだった。
学部はそれぞれ別々だったが、
自治で知り合った彼らとは今まで過ごした友人たちの誰より
長く、濃密な時間を共にした。
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